相続が発生し、空き家を相続するケースがあります。相続した空き家が遠方にある場合など、その管理に苦労することがありますが、現在、この空き家がどのくらいあるか、ご存じですか。
ここでは、9月に発表された調査結果(※)から、空き家に関するデータをみていきます。
一口に空き家といっても、その種類はいくつかあります。上記調査では、空き家を以下のように区分しています。
■賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家
賃貸用の空き家、売却用の空き家及び二次的住宅以外の人が住んでいない住宅で、例えば、転勤・入院などのため居住世帯が長期にわたって不在の住宅や建て替えなどのために取り壊すことになっている住宅など(注:空き家の種類の判断が困難な住宅を含む。)
■賃貸用の空き家
新築・中古を問わず、賃貸のために空き家になっている住宅
■売却用の空き家
新築・中古を問わず、売却のために空き家になっている住宅
■二次的住宅
- 別荘:
週末や休暇時に避暑・避寒・保養などの目的で使用される住宅で、ふだんは人が住んでいない住宅 - その他:
ふだん住んでいる住宅とは別に、残業で遅くなったときに寝泊まりするなど、たまに寝泊まりしている人がいる住宅
では、この空き家の数はどの程度あるのでしょうか。上記調査結果から2003年以降の空き家の戸数をまとめると、下表のとおりです。
2023年の空き家数は900.2万戸でした。2018年時点では848.9万戸ですから、6.0%の増加です。それ以前からも増加が続いており、空き家数全体は増加を続けています。
空き家の内訳別でみると、賃貸用の空き家が最も多く、2023年では443.6万戸で空き家全体の50%弱を占めています。次いで賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家が385.6万戸となっており、この2種で空き家全体の90%を占める形となっています。
なお、賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家のうち、一戸建は285.1万戸で、賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家全体の73.9%を占めています。こうした空き家を相続すると、その維持管理や売却が難しいケースがあります。
空き家を所有している方は、ご自身が管理できなくなった後の空き家の維持管理や処分などについて、あらかじめ決めておくとよいでしょう。
(※)総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(確報集計)結果」
日本の住宅とそこに居住する世帯の居住状況、世帯の保有する土地等の実態を把握し、その現状と推移を明らかにする調査で、5年ごとに実施されます。
本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。
- 増加傾向にある相続時精算課税の申告納税額2024/10/20
- 暦年課税の申告納税額は3,000億円が目前に2024/09/20
- 配偶者居住権の設定登記件数の推移2024/08/20
- 不動産の相続についての対応状況2024/07/20
- 1年間で2,000件超の申請があった相続土地国庫帰属制度2024/06/20
- 増加を続ける国外財産調書の提出件数2024/05/20
- 相続税の簡易な接触件数は過去最高に2024/04/20
- 相続税の実地調査件数は2年連続で増加2024/03/20
- 国税局別の相続税課税割合は3年連続で上昇2024/02/20
- 相続税の課税割合は10%目前に2024/01/20
- 自筆証書遺言書の保管申請件数2023/12/20