文書作成日:2024/04/20
相続に伴う根抵当権に関する手続き
今回は相談事例を通じて、相続に伴う根抵当権に関する手続きについて、ご紹介します。
Q
今月のご相談
個人で事業を行っていた父が亡くなりました。財産を調査したところ、事業において生じた金融機関への債務が残っており、その債務について不動産に根抵当権を設定していることが判明しました。この根抵当権について、何か手続きが必要なのでしょうか。
今後は私が事業を引き継ぐ予定のため、根抵当権を継続して使用したいと考えています。その場合の手続きに期限はあるのでしょうか。
A-1
ワンポイントアドバイス
根抵当権の元本確定前にその債務者について相続が開始したときは、根抵当権は相続開始の時に存する債務のほか、根抵当権者と根抵当権設定者との「合意」により定めた相続人が、相続の開始後に負担する債務を担保します(民法398条の8第2項)。また、この「合意」(指定債務者の合意)について、相続の開始後6ヶ月以内に登記をしないときは、担保すべき元本は相続開始の時に確定したものとみなされます(同条第4項)。
A-2
詳細解説
ご相談者様が継続して金融機関と取引をし、本件根抵当権でその債務を担保していく場合、債務者の相続の登記と指定債務者の合意の登記の手続きが必要になり、この登記は相続開始日から6ヶ月以内に申請する必要があります。
債務者変更の手続きをせずに相続開始日から6ヶ月を超えてしまった場合、根抵当権は元本が確定し、お父様がお亡くなりになった時点の債務のみを担保することとなります。
ご相談者様と金融機関との取引で今後発生する債務を担保するには、新たに根抵当権を設定する必要があります。新たな根抵当権の設定は根抵当権の変更よりも登録免許税が高くなりますので、ご注意ください。
具体的な手続きについては、金融機関または司法書士にご相談ください。
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。
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